第9話・熊が出たぞ~!

 はじめに
 今回は、また懐かしき大学1年時のエピソードから、ラビに騙された薄幸の美少女・玉ちゃんとみっつ、海ちゃんの出会いから、仲良くなるまでの過程を書いてみたいと思います。では、本編の始まりです!
                              
 熊。そう、熊である。
 みっつは、通路を挟んで座る女の子に奇異の目を向けていた。なぜなら、熊という単語が入った苗字の人も珍しいと思っていたのに、全く聞いた事のない苗字だったからである。
 苗字の事は置いておいて、その子はカワイイ女の子だった!
 この時点で、なにやら説明している講師の声などは、みっつの耳を素通りして興味の対象は、その変わった苗字の女の子に向いていたのである。
 それ以来、その講義でのみっつの興味はその女の子に向き始め、この講義では見事にCを叩き出す事になるのだが、それは別のお話・・・。
 しばらくしたある日、海ちゃんの口からその子の名前を聞くことになるとは、みっつは夢にも思わなかったし、仮に予知夢を見ていたとしても、この現実ばかりは悪夢だと思ったであろう。
 海ちゃん 「実はですね~。例の外道、ラビの彼女っていうのが法学部の1年生の子なんですよね。変わった苗字の子なんですけど、みっつ君は、知りませんか?エヘヘヘヘ」
 みっつは内心で、
 (どっかで、聞いたな~。あれ、もしかして!)
 と、思うに至り、
 みっつ 「げっ!こ、心当たりあるよ!その子とは同じ講義を受けているよ!」
 海ちゃん 「そうなんですか~?どんな子ですか?エヘヘヘヘ」
 再度、質問する海ちゃんを尻目に、
 (あ、あんな純粋そうな子が、あの悪名高きラビの彼女!?この世界に神様は、もう居ないんだな・・・。)
 と、考えながらみっつは呆けていた。
 やがて、やっと搾り出すような声で、
 みっつ 「か、かわいいよ・・・。」
 海ちゃん 「そうなんですか~。見てみたいな~。エヘヘヘヘ」
 この時の2人にとっては、玉ちゃんは可哀想なラビの彼女であり、今みたいに一緒に鍋をしたり、どこかに遊びにいく事も想像すら出来なかった。だから、この後のボーリング(外伝8,9話参照)にも強く誘うことなかったし、同じ学部にいるみっつですら、話をする事が出来ないでいたのである。

 そんなこんなで、季節は巡り2年生になったある日。
 海ちゃん 「みっつ君、実はですね。僕、玉ちゃんを見てみたいんでけど。エヘヘヘヘ」
 みっつ 「玉ちゃんね~。そうだね、じゃあ講義が終わった後に教室の出口で待ってて、出てきたところを見るってのはどうだい?」
 海ちゃん 「それだと、確実ですね。エヘヘヘヘ」
 若かったな・・・と、今なら思うが、この当時はこれ以外には策は無い!という雰囲気が2人の間にはあったのである。
 そして、マジで実行する時が訪れた。
 ある講義が終わる少し前から、教室の外で2人は玉ちゃんが出てくるのを待っていた。そして、講義が終わったらしく、学生が出てきたのだが、その中に彼女はいた!みっつと海ちゃんは、何食わぬ顔でその姿を確認していたが、その時に、微妙に玉ちゃんと目が合ったようで、後ろ暗い2人は少し焦ってしまった。
 海ちゃん 「ほんとに、カワイイですね~。エヘヘヘヘ」
 みっつ 「でしょー!ラビの奴を許してはいけないよ!」
 海ちゃん 「そうですね~。でも、玉ちゃんと仲良くなってみたいですよね~。エヘヘヘヘ」
 女の子の事となると、海ちゃんも必至である。
 みっつ 「そうだね~!でも、何か良い方法がある?」
 海ちゃん 「う~ん。じゃあ、ラビ宅で鍋パーティーなんてどうでしょうか?エヘヘヘヘ」
 みっつ 「いいね!では、それを口実に玉ちゃんとコンタクトを取ろう!」
 結局、この考えのとりに計画が進行し玉ちゃんとの接点が出来上がったのであった。
 そして、実際に話をしてみると、玉ちゃんは想像通りの感じの良い女の子であった。
 この事が2人の玉ちゃんは薄幸の人というイメージを決定的なものにしたのであった・・・。

 さて、今回の話はどうだったでしょうか?番外編なのでラビの登場は排除して(主役なのに/笑)玉ちゃんのみにスポットを当ててみました。
 次回なのですが、次回は第10話「静岡銘菓・こっこ」をお贈りします!では、お楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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